メガネっ娘はメガネが本体

小谷ちあきと加藤里保菜が好きです

なぜコンサルタントはキャリアにモヤモヤしているのか?

f:id:kenu2macho:20190305192609p:plain

News Picksでこのような記事があった。

blog.tinect.jp

この記事では市場価値向上の目的を「転職を通じてより高い給料を得る」ことと定義しており、
そのためには漠然とスキル向上や経験を通じて、労働市場における『商品としての自分』の価値を高めるのではなく、
・質が良くなくても高く売れる(高い報酬がもらえる)成長マーケットに身を置く
・自身を売り込むマーケット(会社やポジション)を明確にし、そこに最適化したスキルや経験を高めていく

といったマーケティング的な発想でキャリアを考えるべきだと論じている。

自身の専門性や今後のキャリアについて多少なりとも悩んでいる私は、この考えにとても共感できたし、「なぜコンサルファームにはキャリアに対してモヤモヤしている人が多いのか?」という疑問に対する答えも出せたのでそれについて書いていきたい。

 

新卒・中途問わず、コンサルファームで働く多くの人が「数年間でビジネススキルをつけて市場価値をあげる」ことを頭のどこかで考えている。私の感覚では日本的大企業に入ったが、数年間まともに業務を任せてもらえず危機感を抱いて転職した第二新卒の人ほどこの意識は強い。
実際、コンサルとして働く中で論理的思考力やドキュメンテーション能力、システム関連の知識といった様々な場面で活用できるいわゆるビジネススキルを身につける機会は多く、また転職エージェント曰く、これらのスキルは転職市場でも一応重宝されるみたいだ。

このようにして市場価値をあげてバリバリ働いているというイメージが持たれがちなコンサルであるが、飲み会などの場で上司や先輩、同僚と話してみるとモヤモヤした気持ちを抱えながら働いている人たちがとても多い。
彼らはコンサルとしての仕事を楽しんでおり、やりがいも感じているが、自分が本当にやりたいことが明確になっていないと言っていた。
つまりコンサルでの業務を通じて「ビジネスマンとしての価値は高まっているが、専門性がなく、今後どういうキャリアを描いていけばいいかわからない。」 というものである。

また、大きいファームではプロジェクトが割と運で決まってしまう傾向があるため

  • 戦略立案をしたいのにPMO案件にアサインされる
  • 基幹システム構築をしたいのに業務プロセス改善案件にアサインされる

といったように自身が望む経験が得られないことも多い。(社内で信頼を集めることで案件を選べるようにもなるが、時期によっては自分が望むような案件がそもそもないこともある。)
このよう場合では、たとえターゲットとする市場を明確化していても、そこに最適化したスキルや経験を積むことができない。

 

つまり記事でも書かれているように、
「自分という商品の質は高めているものの、それをどのターゲットに売るかが明確でない」
もしくは「売るべきターゲットは決まっているものの、それに向けた研鑽ができていない」
状態に陥ってしまっているのである。

 

もちろんコンサルでの業務を通じて自分のスキルアップは実感しているし、若手では考えられないような経験も積むことができているのは事実である。
ただ、安易に市場価値を高めるためにコンサルで働くといった店頭陳列型の考えではなく、記事にあるようにターゲットを決めてそれに最適化させる専門店的な発想(記事ではマーケター的発想と記載)でキャリアを考えていきたいものだ。
さらに言えば、自分を市場に売るのではなく、自分で新しく市場を作っていくくらいの気概で生きていきたいと私は思う。