メガネっ娘はメガネが本体

小谷ちあきと加藤里保菜が好きです

好きだった人が明日入籍するらしい

去年まで好きだった人が明日入籍するらしい。
昔好きだったというよりも、3年前に新卒入社時の同期として出会って一目惚れして以来ずっと好きだった。(以後彼女をA子と呼ぶ)
自分に自身がなかった私はなかなかデートに誘えずにそうこうしているうちにA子に彼氏ができてしまった。私はA子を諦めるためになんとなくいい雰囲気だった別の同期(B子)と付き合いはじめた。
別の人と付き合っていれば忘れられるのかなと思ったけども、むしろA子とB子を比べてしまい、ますますA子のことが好きになった。
さらにタチが悪いことにA子とB子が研修を通じて友達になり、私はA子にとって「B子の彼氏」というポジションになってしまった。

私はその後も友達としてA子と何度も飲みに行ったり、好きな小説家の作品を貸し合ったりして過ごしていたが、会って話をするたびに、「もうA子にとって私は恋愛対象として見られていないんだなぁ」と実感して悲しい気持ちになった。
また、こんなふらふらしている私を好きでいてくれるB子に対しては感謝とともに罪悪感を抱いてしまい、結局両者といるのが辛くなっていった。

こんな中途半端な関係が1年以上続いた。A子と初めて出会ってからはもう2年近くが経っていた。A子から彼氏と別れたと告げられた。私の気持ちは舞い上がったが、同時に「好きだと伝えたらもうこの関係が崩れてしまうだろう」とビビって結局自分の気持ちを伝えることができなかった。多分私が本当に恐れていたのは関係性の崩壊などではなく、相手が自分のことを好きじゃないと知ることだったのだろう。関係性などというそれっぽい言葉でごまかして、A子と一緒にいたいという気持ちに背を向けていたのだ。

こんなモヤモヤした気持ちでいるうちにB子との関係も悪くなっていった。A子とB子が繋がっている以上、B子と別れない限りA子に想いを伝えることができないと考えた私は、B子と別れることにした。自分の気持ちに正直になりたかったと言うとそれっぽく聞こえるが、要はB子の気持ちを一切考えずに自分勝手な行動をとっただけである。B子からは別れたくないと言われたが結局私が押し切る形で交際を解消することになった。

本当にクズなエピソードだが、B子と別れてすぐにA子に連絡し会う約束を取り付けた。A子は「会おう」と言ってくれたが、一緒に「最近彼氏できたんだ!」と嬉しそうに報告もしてくれた。このメッセージを受け取ったのは仕事中だったが、私は目の前が真っ暗になりしばらく何も考えることができなかった。付き合った日を聞いてみたらなんの偶然か私がB子と別れた日と同じだった。A子曰く「彼氏がしばらくいなかったし、告白されたからまぁいいかな」と思って付き合ったらしい。もはや後悔してもしきれない。
A子と付き合いたいけどB子も優しくしてくれて良い子とふらふら決めきれていなかった私は結局ことわざの通り「二兎追う者は一兎も得ず」だったのだ。

そんなこんなでA子のことを諦めなくてはならなくなった私だが、2年近くひっぱってきた想いはなかなか消えてくれないもので、定期的にA子と連絡を取りながら飲みに行ったりしていた。彼氏との状況を聞くたびに「あんまり性格が合わなくて月に1回くらいしか会わない」と行ったネガティブな話が彼女の口から漏れていた。「相手を破局させたければ彼女が愚痴る彼氏を褒めろ」とどかの恋愛本が言っていたことを思い出した私は必死に彼氏を擁護したりして、なんとかチャンスが回ってこないものかと画策していた。
彼氏とのデート以上の頻度で他の男と出かけているA子ちゃんも客観的に色々如何かと思うが、なんとかいい距離感は保てており、むしろA子ちゃんも仕事や彼氏との関係で色々悩んでいるみたいで、話の内容は以前よりも深まっていたと私は感じていた。また、クリスマスも昼間に適当に会っただけという話を受けて、そろそろ別れるのではないかと淡い期待を抱いていた。

そんなこんなで仲を深めていた私は先月A子ちゃんと飲みに出かけた。
いつも通り可愛らしい笑顔と服装で和んでいた私は意を決して彼氏との交際状況を聞いてみた。
すると彼女は「実は...結婚することにしたんだ!」と笑顔で語りかけてきた。
「寝耳に水」とはこのことを言うのだろう。彼女はプロポーズの様子や結婚に至った理由など様々なことを楽しそうに話してくれたが、正直ほとんど頭に入ってこなかった。かろうじて分かったのは「別にそこまで好きなわけではないけど、職場の周りも結婚してるしとりあえず結婚したくなった」という曖昧な理由で結婚を決めたということだった。私は彼女が周りに流されやすく、キャリア志向も強くないというのを知っていたが、人生の大きな決断まで流されてしてしまうとは思わなかった。別に彼女に幻滅したわけではないが、なぜか私の心は少し悲しくなった。

A子ちゃんの話によると明日レミオロメンの名曲のタイトルにもなっている『3月9日』に入籍するらしい。昔好きだったの子の誕生日も3月9日だったし、私はとことん3月9日にいい思い出がない。
彼女の職業柄(とても堅い)、離婚することもほぼないだろうし、今後私が彼女と付き合える可能性はゼロである。明日を超えてしまえばもう彼女とは一生人生という線を交えないだろう。私はこの事実がとても悲しい。

とまぁ、ここまで色々を嘆きながら文章化してみれば少しは気持ちが紛れるかと思ったが、私の心はまだまだ晴れないみたいだ。だいぶ自分勝手なこともやったし、ビビって行動できてない情けなさも露呈していた。だから、この結果を招いたのはすべて私の責任だし、この悲しみは自分の中で処理しなければいけない。
そういえば大好きな『BLEACH』の巻頭ポエムにも「この世の全てはあなたを追い詰めるためにある」と書いてある。やはり久保帯人先生は偉大だ。

今回の経験を通じて自分が強くなったとも思えないし、今後も同じような過ちはするだろう。しかし、相手に拒絶されることを恐れて、自分が信じる行動を起こさなかったことを人は一番後悔するのだと気づけた。多分ビビリの私は思い立ったらすぐ行動できるような強い人になるにはもうちょっと時間がかかるが、少なくとも自分が行動したいという想いを自分で信じてあげて、小さな歩幅ながらも進んでいきたいと思う。

最後に一つ言いたい。

結婚おめでとう!!!